Grass Roots

東日本に生まれ育った彷徨える民として
<< August 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
 
RECENT COMMENT
 
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- | | - | -
むかし原発 いま炭鉱
原発ゼロ2日目。
何も書かないと、ただ沈黙して現実に流されて行くだけ、のように思えてくるので、ささやかでも何かを書くことにする。

これからしばらくは、この1年間に読んだ原発とそれとつながる社会的事実について書かれた本について書き記す。

今回は、最も最近読んだ本の1冊。
『むかし原発 いま炭鉱 ――炭都[三池]から日本を掘る』熊谷博子(中央公論新社、2012年)。

この本はタイトルに「原発」が付いているが、原発問題を直接扱っているわけではなく、メインは三池炭鉱の話。著者の熊谷さんはアフガンを撮った「よみがえれカレーズ」などで知られるドキュメンタリーの映画監督で、2005年に三池炭鉱の歴史と現在を捉えた「三池 終わらない炭鉱(やま)の物語」を作っている。この本は、その時の撮影中、そして映画完成後のさまざまなエピソードとそこから発する問いが中心となっている。

タイトルを見てわかる通り、「むかし」と「いま」に続く言葉が常識とは逆になっている。著者が「まえがきに代えて」で書いているように、炭鉱と原発という日本のエネルギーを支えてきた産業が、いかに複雑にからみあい、もつれあい、日本の社会を形作ってきたかが描かれている。描かれているのは、三池炭鉱の姿だが、その非情の歴史が、いまの原発の問題と全く同根のものであることもわかる。

しかし、「まえがきに代えて」に添えられているように、「炭鉱は文化を生み出したが、原発は文化を生み出さなかった」という大きな違いもある。炭鉱労働は、本書にも書かれているように多くの差別と抑圧に支えられながら日本の資本主義を牽引してきたが、それでもそこに生きる者が生活と労働の中から力強く生み出してきたものがあった。だが、原発が生み出すのは、処理しきれない放射性廃棄物と生活(生命)の破壊だけだ。そのことの意味をもう一度深く受け止めながら、私たちの未来を選択していく道を見つけだしていきたい。

スポンサーサイト
- | 09:19 | - | -
コメント
from: ならきゆうじ   2012/11/02 8:14 AM
11月3日から9日までポレポレ東中野で、映画「三池 終わらない炭鉱(やま)の物語」の再上映がある。
コメントする









 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://yuamu.jugem.cc/trackback/220